僕がいつまでもつたえようと試みる大好きな詩友たちへなんてne/梅昆布茶
人形の家のノラのようにように妻は家を去った
軽薄でもなく明るく出て行ったものだ
公証人のまえで離婚の書類を書いた
そのあとでコーヒーでも飲もうと言い出して
でも埼玉の東松山などにはマックさえも近場にある筈もなく
そのままわかれた後によみがえった君と手をつないだ記憶
会社の設計室の廊下でこっそり手をつないで
デートの約束をしたときに
なんだか子宮がきゅんとなったって
言われてもボケ男子ではわかる訳もないが
捨て台詞が得意なひとだった
僕の前では見せなかった顔
「愛したことなんか一度もなかった」
僕の知り合いのマスターに言わせると
生涯で三本の指にはいる気の
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