花火の日、幸福燃え落ちる、温かな爆弾のように/ホロウ・シカエルボク
 
うじき始まろうとしている、そんなことのためだけに一年を生き抜くことが出来るやつらが、いまかいまかとそのときが来るのを待っている、まるで、そう、夜になるたびに生き返って墓場から這い出してくる死者たちのような活気…そんなものが、死後硬直の経過を見るようなこの街の空気をひととき陽気にする、騙されないことは不幸なことだ、俺はときどき、自分のことをそんな風に自嘲し、そして安堵する―それは結局、騙されているに過ぎないからだ、目を開け、本当に見るべきものを見逃してはならない、ご褒美に目が眩むような無自覚ではいけない…出来上がっているものを疑え、こういうものだからと説いてくる連中の神経をすべて疑え、先に決まってい
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