十年の悪夢/莉音
をさっそく読んだが、あまり意味がわからなかった。『自衛隊が武器を持ってよその国にでかけるようになる、せめられそうなら先にこっちからせめる、戦争のことはほんの何人かの人たちで決めていいことにする、テレビやラジオは政府が発表したとおりのことを言うようになる、学校ではいい国民がなにをしなければならないかをおそわる』一体なぜ、今こんな本を書く必要があったのだろうと、疑問に思うばかりだった。
戦争は、遠い世界の昔ばなしでしかなかった。戦前と言えば、国は戦争一色で、警察は国民を自由に盗聴・監視し、都合の悪いことを言えば治安維持法で拷問する、そんな印象だった。そんな時代が繰り返されるだろうとは思えなかった
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