モウモクちゃん感傷/初谷むい
 
われていく、おうちにいく、その事実だけで牛丼のウシ(わたし)は大満足、(棄てられたって)しんだって、かまわないんだよ、そのまま。べにしょうがとしてのきれいなきれいなアクセサリ、集めてはばかだなって思っている。こんなこんなものでわたしを飾ることはできない。三億がいる限り、わたしはきれいにはなれない。くさりかけている、コンビニの、不良品の、お弁当にしか、なれない。ああ、三億がうなりを上げる。しんじゃえ。しんじゃえ。転落するには距離なんて足りないから、ヒールの足を折り曲げている。足首が泣いている。うるさい。
ひかひかの携帯電話が機能するのはときたま。いらないいらないって言い聞かせるのにあきてあきてあき
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