鈍重な流動、経年的深海/ホロウ・シカエルボク
こかよそよそしいものになって枕元で退屈そうにこちらを見ている感じになる、いまは水面なのか?おれはよくそう問いかける、誰に向けて問いかけているのかよく判らない、自分自身にそうした感覚を取り戻すことを促しているのかもしれない、思えば小さなころからおれは、そんなことに必死になっていたような気がする、いつでも、どこかから自分のことを見ている自分がいるような気がしていた、いまこの場所よりほんの少し高いところから、日常のなかで言わなくてもいいことややらなくてもいいことをやりながら釈然としない気持ちを抱えている自分のことを、怪訝な顔をして眺めている自分が…肉体はまるでセロファンのスクリーンに映し出された心許ない
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