鈍重な流動、経年的深海/ホロウ・シカエルボク
ぬムービーを観た、つい半時間前のことだ、その子が男か女かすら判らないくらい遠い映像だったけれども(たぶん防犯カメラかなにかの映像なのだろう)…必死で水面へと顔を出そうとする数分のあいだ、あの子供の頭の中にはなにが渦巻いていたのだろう?それはいまこうして眠りを拒んでいるおれの頭の中にあるものとそれほど違いはない気がした、もちろんあの子はもう死んでこの世には居ない、そしておれはまだ生き延びていこうと目論んでいる、そんな違いはあるけれども―人生は運命に首根っこを鷲掴みにされて水中へと突っ込まれるようなものだ、そうは思わないか?おれは最近よくそう思うようになった、そしてそう考えれば考えるほど、現実はどこか
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