夕暮れる夜/竹森
 
サラサラと散らばり、じきに底面へと沈殿していく過程に見とれていました。
 それから、私、その液体を飲み干します。
 その時身体は、どうしても震えてしまうのでした。

 鏡に映る私の瞳がしばらくは蛍の光の青色にぼんやりと発光していて、鏡面からは檸檬の酸っぱい香りが漏れ出ています。私、今夜もベランダに出て脈拍を測ります。私には等しい、ここから見上げる夜空までの距離と、見下ろす路上までの距離を。



(黄色をはみ出した黄色を私は月光と呼ぼう
(青色をはみだした青色を私は燐光と呼ぼう
(太陽の枯らせた水の流れを私は風と呼ぼう



 電車の運行が一時停止して、朝のホームは加齢
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