報告/葉leaf
 
いて、繊細なあなたは厳密に感光しながらも、その得られた肖像について何事も語らなかった。あなたの空間には社会や組織のカラー写真が夥しく散らばっていたが、それらは詳細すぎて却って語るべき余白を持たなかったのだ。私には、深く感じながらも表現する次元が見当たらず戸惑っているあなたの顔が見える。

私の青春はあなたが代わりに歌ってくれた。今度は私があなたの代わりに社会や組織や暴力について詩を綴っていこう。あなたはそれを禁じるかもしれない、それは詩の領土の外側にあり、詩の管轄の外側にあり、詩の権限の外側にある、と。だが、青春があなたの実存に深く食い入っていたように、社会という生硬なものも私の実存をもみくち
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