朦朧のJuly/ホロウ・シカエルボク
だ、雨は降り止まぬ…オーディオプレーヤーで流しっ放している音楽がそんなフレーズを囁いて俺は苦笑いする、現実は時に安っぽいドラマなのだ
日付と、時刻と、曜日が定まらなくなっている、現実に麻痺している、流れていくものは止められない、流れに乗ることを止めて違うものを見ようとすると、あるいは違う流れを探そうとすると、その流れには二度と戻ることが出来ない、その流れは多くの無自覚な連中が過負荷なく生きるためにこしらえたものだからだ…ほんの半歩踏み出しただけでそのことは理解出来る、それはあまりにも無表情で、そのくせに妬みや嫉みに満ちていて、愚にもつかない小競り合いの得意な連中が大勢居る…飽きれるくらい
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