朦朧のJuly/ホロウ・シカエルボク
 
られるはずなんだ、それは懸命さとか執拗さとか、そういうことではなく…ノイズと静寂の共存した世界をきっちりと受け止めるような…両極からその間にある全てを受け止めて認識して受け入れるような…窓を開けると夏が雪崩込んで来る、このところ雨ばかりでまだ太陽はロクにそのギラつきを印象には残していないというのに…俺はそのことが無性に腹立たしい、俺はそのことが無性に腹立たしいんだ…目覚めるたびに雨の音が聞こえる、ねえ、目覚めるたびに雨の音が聞こえてくるんだ、ああ、今日も雨が降っているんだって、この世界に帰ってくるたびに判るのさ、そんな朝には窓を開けて、今日どれだけ濡れればいいのかということ
を確かめてみるんだ、
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