流転/MOJO
かった。心療内科に診せながら、ハローワークに通う日々が続いた。しかし、良い結果は得られなかった。
次に私を雇用したのは、親戚が経営する惣菜屋だった。東京の東はずれにある駅ビルの地下街。その中の一店舗が私の職場だった。
私は抗うつ薬を飲みながら、コロッケやメンチカツを揚げた。そして、しみじみと考えた。どうして自分の人生は、こうして流転してゆくのだろう。保険屋でも旅行屋でも建築屋でも自分は一生懸命に働いた。その結果がこれか。安い給料で雇われ、朝の八時からエアコンもない部屋に設置された油釜で汗でぐっしょりになりながら、サービス残業で、夜の八時九時までコロッケを揚げている。
もしかすると、あれ
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