消失の夏術/
ただのみきや
一点に
奇妙で
燃える
坩堝だ
向日葵の
つめたい
Yellow……
残りは蟻が持ち去る
太陽が乾かして
風が拭い飛ばし
雨が洗い流す
わたしは夏に生まれた
きっと夏に死ぬだろう
ひとつの蜂が脳裏の真っ青を引き裂いて
《その胡桃なかは喰われて空っぽ
古いビルが爆破される
ただ内側に崩れ落ちる
ああ同胞
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