消失の夏術/ただのみきや
 
胞 わたしの愛 

   子供たちが走って往く
    ゆっくりと音も無く
     光の中から現れて
    光の中へ消えて往く

どの顏が薔薇の蕾だろう
みんな光に切り取られ
抜け落ちた歯のよう
どうして

      逆光で微笑む女
    砂漠の夜の顔

わたしは夏に生まれた
きっと夏に死ぬだろう
いのちの嵐に 死は 舞踏する――

    四次元に結晶する
  いのちは 
死の手中から消
      失
      す
       る
         
        煙
           
          の
         
          よ

           う
              
                
               に




    
           《消失の夏術:2015年7月18日》








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