書く動力 5/Dr.Jaco
ある文字を自分に手繰り寄せたいという欲望に
駆られていく。その時、文字は生き返る。膨大な死体の山が築かれた書店の中で、自
分が手に取った本だけが生き返ったのである。パチンコ屋で隣に座ったばあちゃんと、
ふと顔が合って「出ないね」って。
何か知らんがそのばあちゃんが「愛おしい」というのと、「言葉さん」が愛おしいの
は似ている。似ているがレベルは違う。後者は圧倒的に疎ましいのに愛おしいのだ。
どういうことか。愛している者が言うことをきかないこと程、疎ましいことは無い。
愛しているのだから、常に(妻の次に)第1順位であり、最優先であり、何を置いて
も「言葉さん」なのであるが、文字を画
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