アボ太郎/もり
はおばあさんには、洗濯の合間に川のきれいな石(ばあさん曰く)を集めてはコレクションするという悪癖、否、趣味があり、おじいさんはアボカドもそのひとつだと思い込んでいたのです。
「じいさん、それはアボカドじゃ。今日、川で拾てきたんじゃ」
「なんと?あぼかど?なんじゃそれは。桃やないんか」おじいさんは目を丸くして言いました。
「アボカドはのう、中が緑色した、若い衆が好んで食べるもんじゃ。
醤油をかけると、トロみたいな味がするんじゃぞ」
おばあさんは、ニヤつきながら言います。
「おぉ、トロか・・ でも、ならなぜわしがスッパゲテイを食べる前に言うてくれんのか・・わしゃトロが食いたかった・
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