アボ太郎/もり
「やっ、何でアボカドッ!」
どんぶらこどんぶらこ、
上流から流れてきたアボカドに、
おばあさんは洗濯中のおじいさんの褌を落として、思わず叫びました。大きな、大きなアボカドが流れて来たのです。
おばあさんは、このまま流してしまおうかとも考えましたが、
その人並み外れた好奇心で、すでにアボカドを捕獲していました。
ゴツゴツとした、鈍く輝く黒い表皮。いったいこの中には誰、いや何が入っているのか・・。久々に胸が高鳴っていました。
その夜。しばかりを終えたおじいさんは晩御飯も食べ終わり、茶を飲みくつろいでいました。
「ばあさんや、何でまた岩なんか持って帰ってきとるんじゃ?」
実はお
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