その夜の仕事/もり
 

助手席のオレガノも、いつにもまして無口だった。一応こいつが、今日の小隊長ってところか。いつも通り、ターゲットの話はしない。そのくせ、最前線は俺たち、自分より下のやつに行かせればいいと思ってやがる。タマの小せえ野郎。
そうなんだ。ビルの間から俺たちをちらちら見てくるお月さん、わかるだろう。今日のメンバーは俺の嫌いなやつばかり。何だってボスはこんな選抜をしたんだろうか。たしかに上に媚びるのがお上手な連中さ。だけども、こいつらも殺されるやつとたいして変わらない悪業をしてるんだぜ。
信号待ちの間、角に立つ薄汚い娼婦と遊んでるほうが今夜はまだマシな気がしてしょうがなかった。
セルフィとチャービーには
[次のページ]
戻る   Point(1)