ロスとロス (流し込むあいだの)/ホロウ・シカエルボク
 
とは違う、そいつらの感情は俺の好きに塗り潰すことが出来るからだ、木の早い連中はこの下りで俺の考えを批判しにかかるだろう、だけど考えてみなよ、俺は壁の心境について考えることが出来る、やつらにはそれは決して出来やしない、俺が考えていることだってきっと、確かな壁の気持ちではない、だけど俺には少なくとも、それについて考えてみるだけの思考のクッションがある、やつらには一生得ることのないものだ、そして俺は壁にもたれかかる、マーケットで買ってきた自然食品を齧りながらそうして壁と話をする、もちろんなにも喋ることはない、壁には耳も口もないからだ…ことわざを別にすれば…雨の上がった夜は穏やかだが蒸し暑い、エアコンはご
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