和解/吉岡ペペロ
 
毎日誰かとテニスをしていたから下手は下手なりに試合になっていた。

みんな大人だから黙って列に列んでいた。レジを見つめていると店員の要領が悪いのがよくわかった。
まえの女の子がメールを打っている。とくに興味もなかったが「お誕生日おめでとう」という文字が見えた。
ぼくのうしろに列ぶひとも増えていた。ドリンクコーナーにひとだかりが出来ていた。
こんなに待たされたことは今までにないような気がする。まえの女の子が足首を不自然なかたちに曲げたままもう動かすのをやめていた。

試合は盛り上がって数人の観客までできていた。そのなかにはもちろん彼はいなかったが、先生がいた。たまたま来ていた施設の持ち
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