和解/吉岡ペペロ
とだった。
誰の目にも明らかになるくらい彼はぼくを無視しつづけた。
ほかの仲間は静かに気づいていた。彼は理由を仲間に告げていたのだろうか。ぼくから仲間にそんなみじめな質問はできなかった。
先生たちも気づいていたにちがいない。ぼくには好きな先生がいた。だから先生にこのことをどう思われてしまっているのか不安で心配だった。
テキスト10ページ分が範囲の英単語のテストを受けながら、ぼくはそとをたまにみやっていた。
テニスコートと施設の建物とテラスが金網のむこうに見えた。テラスにはソファが野ざらしになっていた。そこには彼が座っていた。
この授業が終わったらどこに行こうか。そう考えると胸が痺れて短
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