辻斬り批評モードー辻征夫の「むずかしくない詩の話」を読んでみた戦慄/石川和広
 
が並列であるような、存在とのかかわりの言葉。
ここで、「にんげんだもの」といっていくと、相田みつをになるだろう。
 辻は、ここで、「綱渡りの道化師」と谷川を呼ぶ。そして、サーカス小屋の道化師は「たしかに命綱を付けている」と、述べ


 しかしあの命綱は、何だと思う?

 あれはたぶん見物の子供たちを安心させたいがための道化師の優しさ、「善男善女」と いう幻へのサービスなのである。バランスを崩して落下すれば、ぺしゃんこになって死 ぬ


 これは、「詩人のふりはしているが/私は詩人ではない」(「旅」)という谷川の詩を読む「子供」=読者への、そしておそらくは、そこに、詩の限界を定め
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