辻斬り批評モードー辻征夫の「むずかしくない詩の話」を読んでみた戦慄/石川和広
 
香りと、詩が微妙な平衡を保ちつつ、いのちやこころを扱いえた詩人だといえる。中也も短歌を書いていた。

 辻は、俳句や小説をものしたり多彩な人らしかった。
谷川俊太郎も、辻のような人をなくしては、しんどかったろうなという数行があり、そして笑えて谷川についての議論をひっくり返す強さもある。

 
 てっとりばやくごく簡単にいえば、

 かっぱらっぱかっぱらった
 とってちってた
 
 谷川俊太郎はこういう詩を書く人である。

 (略)明るく、愉快で、思わず吹き出してしまうが、こういう詩を書く人間というもの  を、読者はいったい考えてみたことがあるだろうか。


鋭い実作
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