辻斬り批評モードー辻征夫の「むずかしくない詩の話」を読んでみた戦慄/石川和広
いまは詩を書いて行きたいということのようだ」と述べている。
そして、辻は、1984年に谷川が書いた「日本語のカタログ」も、谷川にとってフィクションであったと書き添え、当時初出の現代詩手帖6月号の「世間知ラズ」他二編などを
「逃げ道をいっさい残さないで書きたいという気持ちが強い」し、「この厳しい苦さを評価したい」と書いている。
「逃げ道」とは、「マジ」に対する「あれ?」の対句的構造というか、かつての詩の限界への挑戦を、挑戦として受け取ってくれなかった「読者」と谷川が考えてきた、詩の構造自体が、まだピエロを想定したものだということだ。
この道化は、谷川しか感じていなかったのではなか
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