辻斬り批評モードー辻征夫の「むずかしくない詩の話」を読んでみた戦慄/石川和広
そして、詩人とは、読者という「子供」を相手に、道化師を演じる時が終わるとき、辻も何か「いき」を「ひき」取られたのではないか?
子供は大きくなったか?僕は大きくなったか?
呆然としていることを、そして、書くならば、書く中で、それぞれの言葉の、「いき=域」を見ていけば、谷川が疲れて化粧を落とした後、僕は僕の経験の中で、詩の息吹をたしかめていくしかあるまい。
僕がはじめて買った詩集は、谷川の「世間知ラズ」だった。あれは、僕が、大学二年のときだから、1993だろうか、その時、辻は、五十三歳。
「私の現代詩入門―むずかしくない詩の話」の井川博年の後書きによると元になった「かんたんな混沌」は、1
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