傷を編む/ホロウ・シカエルボク
 
を磨いで、その日やらなければならない用事は済んだ、長くプッシュアップをして身体を痛めつけてからシャワーを浴びる、半日日光を浴び続けて赤く焼けた肌が痛むかと思ったが、まったくそんなことはなかった、ときおり、山の深いところでずっと、木陰の中を走っていたせいかもしれない…汚れをきれいに落とすには泡をすぐに洗い流さないことだ、最近そんなことを覚えた、だから、身体を洗うたび、顔を洗うたび、髪を洗うたび、浴室で呆けて泡が汚れを浮き上がらせるのを待っている、そんなときおれは、きっと死体になった自分のことを考えている


昔ほどじゃないが、いまでも時々、インターネットで無残に死んだ人間の写真を見る―べつだん
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