巨大な羽ばたきのビート/ホロウ・シカエルボク
があり、激しい虚無がある。人生そのものには意味などない。だから、目印を結びつけるようにそこに何らかの意味をもたせなければならないのだ。いや―理由や意味をもたせるだけの何かしらをそこに設定しなければならない、そういうことだ。意味をもたずに生きることは容易い。すべての判断を一番簡単な選択肢に委ねればいい。おれはそういう生き方を拒否した。そして、一見激しいが身体を揺らすことすらない巨大なトルネードの中心から距離をとり、これまで塗り潰してきた地点を見下ろすことの出来る高みを目指した。睡魔が襲ってくる。でも眠る理由が見当たらない。いつだってそういうものは見当たらない。そして夜はおれに満足な眠りを与えてはくれ
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