巨大な羽ばたきのビート/ホロウ・シカエルボク
くれない。おれは時々目を閉じることすら忘れて、ぼんやりと羽ばたきを聞いている。業務用トマトソースの巨大な缶の中では、進化を諦めたネズミたちが腐敗を始めている。それはイメージに過ぎない。だけど、混じりっけのない純度100%のイメージは、本来そこに収まるべきピースだけでは足りないくらいのフィールドを求める。人生には意味などない。だけど、だから意味を、なんてことではなくて、だからこそ出来るトッピングが在るということに気付かなければならない。やり直しの効くカンバスのようなものだ。色は無限にある。悩む前にすべての色のキャップを外して、片っ端からパレットに押し出してみることだ。鳥は羽ばたきを続けている。おれはもう少しそいつがどうするつもりなのか静観してみるつもりだ。
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