巨大な羽ばたきのビート/ホロウ・シカエルボク
 
。現象はやはり途中経過であり、こうしていることにもきっと理由があるのだろう、と考えてなすがままで居た。不思議なものだな、とおれは考える。いままでに何度もこんなような出来事は訪れた。だけどそのたびにおれは生還して、おそらくは人生の折り返し地点であろうポイントも通り過ぎ―生きている。運命を理解することは難しい。とにかくそこには意味など存在していないのだから。おまえなど阿呆だ。人生はおれに指を突きつけて笑い声を立てる。忌々しい笑い声だ。思わず鼓膜に鉛筆か何かを突き刺そうかと考えるくらいだ。鳥の羽ばたきと笑い声が相まって、小さなおれの住処の現象は破裂しそうになる。そこには激しいうねりが在り、激しい圧迫があ
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