疋田龍乃介詩集『歯車VS丙午』について/葉leaf
 
あり、いまだ十分正当化されず、様々な廃残物の寄せ集め、主流の歴史から取り残されたものの寄せ集めでできている。そして、それでありながら、詩は、激しい生命力、激しく充実して生きようとする意志として暴力的なのである。そして、詩はその強靭な意志の力によって、自由な人間を創造しようとする。社会においてヘゲモニーを持つことに失敗した弱者が、それでもヘゲモニーに異を唱え、支配的言説による抑圧から自らを解放し自らを表現していく創造力、それこそが詩の暴力なのである。

 あら、不可思議な摩訶ざわざら
 義母にゆっくり、ざらら
 ざわざらざっわーん
  絶ちますよ、
 枝垂れた触角、
 ねっとりまわすよ
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