ロクデナシ/為平 澪
 

と聞いた。
「最低だよ・・・いっそ死んでくれたらって思うよ・・・!!」
「そうか・・・。」
父は、こっちを見ずにポツリと言った。

 それからというもの僕は暗澹とした毎日が続いた。家に帰れば必ずといっていいほど、母が泣いて僕に父の愚痴をいいつけてくる。
正直、勉強どころではなかった。そんな中僕の胸の中には一つの疑問がでてきた。
 ――父さんの悪口を言う母さん。父さんを愛して結婚したんじゃなかったの?僕は、本当に祝福されて生まれてきたんだろうか?
 僕には、両親の愛が信じられなくなっていた。
 「――くん、 溝口くん、もう聞こえないの?」
「え、何だった
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