ロクデナシ/為平 澪
けるか?」
僕に背を向けた鶴町に僕は
「ああ。」
と答えた。
「今、夕焼け綺麗だから、屋上あがらないかそう言う話だったら、屋上で聞いてやる。俺こうみえてもロマンチストだから。」
その言葉に僕はパジャマの上からフリースのジャケットを羽織ってベットからでようとしたのだが、足がふらついて転んでしまった。
鶴町は、そんな様子を見て
「仕方のない奴だな。」
と、僕に手を差し出した。鶴町の手は温かかった。
屋上は、一面夕焼けだった。街も樹も山も畑もみんな真っ赤に染まっていた。僕は鶴町と給水塔の下の段差に腰かけた。
「さっき話しだけど・・・。」
切り出したの
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)