ロクデナシ/為平 澪
の恐怖、両親の不和、南への不信、両親への疑心、追いつめられる毎日のこと、自殺、父との和解・・・。ゆっくり話すつもりが吐き出すように話していた。安静剤も効果を失うほど、僕は興奮していた。
みんな言いたかった。みんな聞いて欲しかった。僕ごと全部、鶴町だけに受け止めて欲しかったのかもしれない。何がそうさせるのかはしらないが、僕は全部話し終わると泣いてしまった。
「情けないだろう僕は・・・。自分でも自分がこんなに弱い人間だったなんてって思うよ。いつもみたいに笑い飛ばしてくれよ。」
僕は鶴町の顔を見るのが恐かった。ただ恐かった。僕はずっとうつむいたまま涙を流していた。
「お前、今歩ける
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