ロクデナシ/為平 澪
計で忙しい。お前に会えにいけないので手紙を書くことにした。
明、お前は、母さんが命をかけて産んだ私の形見だ。『明』という名は母さんが名付けたものだ。明けの明星に産声をあげたお前を母さんは、『明るく輝いて生きる子に育つように』という意味ををこめた。母さんは、
「私の宝物、あなたにあげる。大切にして。」
と言って死んでいった。お前を大切にしたかったのに、少年院(そんなところ)にやった自分を情けなく思う。だがな、明。どんな所にいても、お前はお前らしく輝いて生きて行け!決して死ぬな!生きていてさえくれればいい。どんなに社会に打ちのめされても、父さんはいつだって見方だ。だってお前はこの世でたっ
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