ロクデナシ/為平 澪
 
が痺れて、うっとりした。現実からの解放。このままそれが永遠になって欲しいと願った。そうだ。俺は何かから逃げ出したかったのかもしれない。俺はいつしか覚醒剤なしでは生きていけない体になっていたんだ。
 親父に見つかったのは路上で倒れている俺を警察が呼んだからだ。俺は親父狩りできる体力もなかった。うつろな瞳で親父を見上げたら、親父は俺をおもいっきりぶん殴りやがった。警察が薬物中毒看者用の病院を手配したが親父は、家に連れて帰るといいはってそれから親父と俺の戦争が始まった。薬が切れると、人が化け物に見える。親父も例外じゃなかった。暴れる俺に親父が近づいてくる。それだけで俺には十分すぎる程の地獄だった。笑
[次のページ]
戻る   Point(3)