ロクデナシ/為平 澪
はない。世間が世界が、僕の事を嘲笑っているようで、ただ怖かった・・・。
部屋を暗くして、できるだけ動かないようにした。
――太陽に見つかってしまう・・・
僕は陽のあたる全てのものから隠れなければいけなかった。
「泉、あなたどうしたのよ。あなただけが母さん頼りなのよ・・・。」
学校にも行かず、勉強もできなくなった僕に母は、参考書を持ってきた。僕はうつろな目でそれを見て小さく
「母さん、もう本はいらないんだ・・・。友だちが欲しいんだ・・・。」
とだけ言った。
「僕は孤独だった。勉強が出来ない自分に価値をみいだすことなどできなかった。世間から、社会か
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