ロクデナシ/為平 澪
、長所として人あたりが良かったが、それが短所となり、よく人に騙された。
某人の級友というだけでその保証人になったり、マルチ商法に騙されたりして、ついには自営業の会社を倒産させ、田畑を全部売り払っても、まだ三千万残る借金をしたのだった。
その時から母さんの口ぐせは
「父さんのようなロクデナシになってはダメ!!あんたは父さんとは違う!今に世間をあっと言わす大物になるのよ・・・!!」
と言うのが常であった。
――母さんを嬉ばせたい。誉められたい。父の苦労から解放させてあげたい。その為なら僕はなんだってしただろう・・・。
その思いが今の僕を造った。僕はいつの頃からか自分の価値
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