そしてすべてはあるべき色に/ホロウ・シカエルボク
具とでもいえるような熱が
瞬間体躯で生えふさぼり
明方の短い眠りの間の
夢のように消える
そんな閃くようなものたちの死体が
ポンコツの心臓の底辺で堆積している
産まれなかった赤子たちの夢と
鳴り響く賛美歌の残響
アヴェマリアの唇は血塗れで
サタンはやさしく彼らを取り上げる
贄の為ではなく
もう一度
産まれなおさせるために
もっとも混沌として
静寂とノイズ
アンバランスが連続すればそれは調和だ
真っ白な月が輝いている
死ぬのを忘れた猫の目のように
捨てられたクロワッサン
蟻たちが色をつける
街路の
街路の
おそらくは誰の目に留まることもない
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