朦朧たる旋律、そして簡略化された天井の構図/ホロウ・シカエルボク
それが何であるかなんてことは実際のところあまり問題ではない、羅列される言葉に意味を求めてはいけない、ある意味ですべての羅列は、本来言語が持つそれぞれの意味をいったん解体するための手の込んだ作業なのだから―そこからひとつの単語だけをピック・アップするような真似は愚かしい、それは様々な草花が植えられた花壇からひとつの花だけを抜き取ってその価値を値踏みするようなものだ…そこにあるのは草花ではなく、「花壇」という構成によって表現されたひとつの意志だからだ―もっとも、種を啄むカラスのようにそこから欲しいものだけを取っていく連中は呆れるくらいたくさん居るけれど…きっと彼らにとって真実とは、部屋の中にあるテレビ
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