朦朧たる旋律、そして簡略化された天井の構図/ホロウ・シカエルボク
 







眠りでもない、目覚めでもない、そんな状態がもう幾時間か続いていて、その間何をするでもなかった、ただ座椅子に背をもたせて脚を投げ出し、わずかに上を向いて壁と天井の継目のところを眺めていた、それは徹底的に簡略化された世界の構成だった、点と線によって展開される広がりの末端だった―テレビもラジカセも沈黙していた、部屋にある限りの発音するものは、すべて…携帯電話のアラームもオフに設定されていた、すべてがオフに設定されていた、それなのに頭の中では音楽とも呼べぬような音楽がずっと流れていた、強引にそのニュアンスを伝えてみるとするならば、「メタル・マシーン・ミュージック」にピンク・フロ
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