クリーン・ルーム/ホロウ・シカエルボク
 

そいつらのほとんどは二元論で出来上がっていたんだ
ああ、俺は読みかけの本をまた読みかけのままで閉じながら
あいつらのお決まりのセリフを真似てみる
そうしておかしくなってひとりでげらげら笑うんだ
あいつらいつだって苔生した墓を守ることぐらいしか思いつかないんだから


今日日ニュー・カマ―には莫大な期待と責任が押し付けられる
新しいものは新しいとみんなが信じているからだ
見慣れない顔はなにかとんでもないことをしてくれるに違いないと
人任せな刺激に瞳を輝かせているからだ
新しいもののたいていは新しくはない
デビューの一声なんてたいていそいつ自身じゃない
まだ憧れの湖に首
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