甲虫たちは間違える ? the out of control/ホロウ・シカエルボク
じように無様にしばらくもがいていると、やがて身体が自由になる、起き上がるころにはほとんどの甲虫は死んでいる―俺は彼らを見下ろす、なぜだ、とそしてまた思う、どうしてお前たちはこんなことをしたんだ、と…強固に見えたその鎧はあまりにも脆い代物だった、お前たちは自分の強度を過信していたのか?身体中の爪のあとが痛む、そこから流れているのは彼らの体液とはずいぶん種類の違う赤い血だ…俺はその場に膝を着いて身体と心を落ち着かせようとする、なにも、なにも理解出来ない、現象として不可解に過ぎる…そのとき虫たちの死骸の中から、一匹の甲虫が這い出す、そいつは、潰れていなかった、なぜだ、と俺はまた問う、虫は答えることなく、
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