甲虫たちは間違える ? the out of control/ホロウ・シカエルボク
 
てそのかかりぐあいを確かめながら、しっかりとした足取りで登ってくる、今度は群がりはしない、一匹一匹が干渉しないようにある程度の間隔をあけて登ってくる、まるでプロの登山家のように…俺は目を見開いて登ってくる連中の無機質な眼球を覗き込む、彼らが何を狙ってここに登ってくるのか、それを見極めようとしている、そうしていればなにかしらの意思が交わせるのではないかというように、彼らの眼球をじっと覗き込んでいる、やがて一匹の甲虫が俺の眼前に到達する、そして俺の目のなかをじっと覗き込む、さあ、何がお望みだ、と俺は考える、やつは俺の目のなかを覗き込んだまま身じろぎもしない…そうしているうちに一匹、二匹と、虫たちは俺の
[次のページ]
戻る   Point(2)