真昼のプラネタリウム/ホロウ・シカエルボク
 
5月
神様の卵を探してばかりいた休日


海沿いの道はウンザリするくらい真っ直ぐで
どんなに走っても帰れる気がしなかった
港の近くの自販機でさっきと同じ缶コーヒーを飲んだとき
本当になにもなかったのかもしれないとそういう気持ちになった
空は相変わらずクソみたいに青く
あらゆるものが俺を目に止めるまいとしているみたいに通り過ぎていった
定期的に切り替わる信号は
退屈を退屈と思わないだけの分別を持っているように見えた


生物の気配がしなくなる二車線の道で無邪気なところにまでスピードを上げると
フルフェイスの中で誰かが囁く声が聞こえてくる
そいつはあまり楽しいことは言わ
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