真昼のプラネタリウム/ホロウ・シカエルボク
言わない
忌々しい言葉ばかりを投げかけてくる
よう、お前はいったいどこに居るんだ、俺はそいつに返答してみるが
聞こえているのかいないのかそいつは身勝手に囀るだけだ
ガソリン・タンクの感触が軽くなり始めて
あとどれだけ走れるだろうと点滅信号の下で思いを巡らす
水平線間近の太陽は赤く
昨日の血のようにあたりを染める
平穏と断罪と浄化と処刑を、神様
そのすべての感触をこの手のひらに味あわせてはくれまいか
気の早い白い月が離れたところに浮かんでいる
まだ数日の間は雨は降らないらしい
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