真昼のプラネタリウム/ホロウ・シカエルボク
まだ無理だけれど
時間を作って約束を取り付けよう
俺の稼ぎは自慢にもならないけれど
君の胃袋に入るコーヒーを用意することくらいなら出来るさ
そんな手紙をこの前書いたけれど
いつでもいいから遊びに来いよと教えてくれた住所には
もうずいぶん前から誰も住んでいないらしかった
波打際で神様の卵を探す休日
時間は痴呆者の記憶のように過ぎて行き
まだ来ない夜の中に俺は取り残されている
光のかけらばかりが降り注ぐ真昼のプラネタリウム
どこか不安を煽ってばかりいるみたいなカレイドスコープの景色
泳いでいた家族たちはどこへ行った
俺は本当にそいつらを見ていたのか
真夏のような5月
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