真昼のプラネタリウム/ホロウ・シカエルボク
 
にうつつを抜かしている
彼らはみんな嘘つきだから
嘘つきだからあんなにもはしゃいでいるのだ
嘘が上手くつけるようになったらお終いだから
保存料の味がする缶コーヒーを美味くもなんともないという顔で飲み干した
そんな真っ当が誰も幸せにしないことはもう充分判っているのだけど


昨日電化店の店先の素敵なテレビジョンで流れていたマイナーな映画
「神は死んだ」と何度も繰り返していた、俺は思わず笑っちまった
「神が死んだ」のではなく「神を求めていない」というだけなのだ
無神論者ほどそのことが理解出来ない―おっと、誤解するなよ
俺は神を信じているが宗教は信じていない
祈りに作法がなけれ
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