World of sorrow/opus
 
は彼と話している時
とてもよく笑う
よく冗談も言う
時々、自虐もする
彼もそんな感じ
二人とも弱音を吐いたり
落ち込んだりなどしない

いえいえ、と彼が最後に
言葉を発した時も
彼は顔に笑みを浮かべていた
そして、
「二度と彼女は戻らなかった。」
とそれで終わる

空が夕焼けに染まる
夕焼けが近くの山の輪郭を映し出す
大きな鳥が3羽空を翔ける

自然と涙がこぼれる
感情と情景と小説の読後感がリンクする

犬がクーンと尻尾を振り
此方を見上げる
頭を撫でる

遠くの何処かから
17:00を知らせるチャイムが鳴り響く
きーんこーんかーんこーん

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