World of sorrow/opus
 
と言い
でも、こういう事かもよと
彼女の意見をふまえた
意見を返す
そんな風に二人の意見と物語を作り出し
ある物語においては実証し、
ある物語においてはそれで終わる

最終的に彼女はその部屋からいなくなる
ありがとうと彼に言う
いえいえと彼は答える
彼女はコクリと頷くと
その部屋のドアを開け、出て行く
そして、二度と帰って来ない

煮込み終えたトマトをタッパーに詰め
冷蔵庫に入れる
犬が散歩を急かすので
リードを付け
外に出る

彼女は幽霊だから彼に触れられない
彼どころか物理的な干渉は何も出来ない
また恐らく、部屋から出る事も出来ない

彼女は彼
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