オーティスをシンパシーで笑い飛ばしながら、それでも。/ホロウ・シカエルボク
暗い路地裏の腐敗した猫の死体
それに群がる鼠たち
そいつらを捕まえては自己流で料理する浮浪者たち
火加減はどうします
どぶ鼠を炙るのに適切なレシピなんてきっとない
食うところのなくなった骨が転がるだけ
薄汚れた髪でも生きることを知っていれば
光のない瞳でも生きることを知っていれば
晴れた空のした化合物的に澄んだ瞳にサングラスでフタをして
よく見えないと文句を言いながら繁華街をきみは歩いている
きみの足跡はコンピューター・グラッフィックに酷似していて
良く出来たソールのせいで地面をまともに感じることもしていない
きみにはまだ判らないだろう
ある種の防御は最大の盲目
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