オーティスをシンパシーで笑い飛ばしながら、それでも。/ホロウ・シカエルボク
消えるだろう
どんなにそれを見届けようとしても
瞬く間にすべてが終わっているだろう
チェスのように言葉を置いていくロックンロール
鼓動のようなリズム
鼓動のようなリズムが
空気を振動させる
それを
細胞が受け止めて騒いでいる
消えそうな火だって消えないかぎりは燃え続けている
きみはその芯に目を凝らして
燃え続ける理由を探さなくてはならない
正解は存在しない
燃え続けるものにきみが理由を添付するのだ
その炎の在りかたにもっとも相応しいなにかを
真夜中の窓辺に横たわる存在しえない影を
無人の浴室の中に残された呼吸を
傷だらけのフローリングの床
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